共に生きるために

私たちは未来に、何を思い描けばよいでしょうか?私たちは何を心にとどめなければならないのでしょうか?社会はますます加速度的に変容し、それに私たちは後追いしていかなければならないようになっています。「共に生きる」ために、私たちは何をしていかな…

川崎病患者増加

日本経済新聞2007年10月2日夕刊より。 「患者の一部に心臓障害が残る原因不明の小児疾患「川崎病」の新たな患者が2005,2006年の2年連続で1万人を突破したことが二日までに、厚生労働省の研究班の調査で分かった。大流行した1980年代の…

国を滅ぼす気か?文科省!

阿部首相のクソッタレな思いつきに従順に従って、文科省は国を滅ぼすつもりであろうか。 このままでは、バウチャー制度は日本を滅ぼす最悪の元凶になるだろう。 教育に競争原理を導入する?巧言で国民をたぶらかす、その隠れた魂胆が許せない・・・! バウチ…

火中の栗

2,3年前になる。ある民主党議員に「本当は今のようなタイミングで、政権を取りたくはないのでしょう?」と尋ねたところ、腕組みして考え込んだ。しばしの沈黙後、「政権を取る機会があるなら、逃げないつもりだ」と答えが返ってきた。 事態を正確に理解し…

天下り

驚くべきことに、年配の公務員の中には、どうして天下りがいけないのか、本気で理解できない人がいるらしい。 自分のためではなく、業界全体のための奉公であって、これまでずっと続いてきた「伝統」を、どうして今になってこれほど批判されるのか、分からな…

作陶展

私の弟が、東京と滋賀で個展を同時開催します。 http://www.biwa.ne.jp/%7Ekibou/pottery/info.html 会期 2005年7月21日(木)〜7月27日(水) お時間があえば、足を運んでやってください。

作為的科学から帰依的科学へ

かつてキリスト教は、西欧を1000年にもわたって支配し続けました。そんなことが可能になったのは、ローマ帝国の腐敗を批判する清冽さ、弱き者をいたわる優しさ、貧しき者と分かち合う慈しみが、ローマ帝国の人々に新鮮に映り、次の時代の支配者としての期待…

「絶対正しい」のなれの果て

これまで宗教は、人々が精神的に安定するよう、精神的支柱を提供してきました。 「世界とはこういうものである、あなたはその中でこういう位置づけである、だからあなたはこう生きるべきである」 人々はそれを聞いて安心し、なすべきことを見つけ、マジメに…

精神的支柱の恐ろしさ

精神的支柱を人々に提供する役割は、ほとんどの場合、宗教が果たしてきたといえます。「あなたを包むこの世界は、こういう成り立ちをしている。その中であなたはこういう位置づけにある。あなたのなすべきことはこうである。」つまり、宗教はその信者に世界…

精神的支柱の問題

現代日本社会は、心の問題が非常に深刻です。 この問題を解決するために、宗教心の回復だとか、あるいは愛国心で国民を束ねようなどという動きが出ています。 この問題を、少し突き詰めて考えていきたいと思います。京大の名物教授だった森毅氏が、「イイカ…

「人まねではない価値観の形成」へのコダワリ

現代日本人は、価値観の継承というようなことを考えると、条件反射的な反発を覚える人が少なくありません。 私は、こうなる原因が二つあると考えています。 一つは敗戦です。 「神国日本、大勝利」を信じ込まされていたら、敗戦した途端に手のひらを返したよ…

護送船団方式概説5

護送船団方式崩壊によって起こった現象は、企業グループの枠を越えた合併や、大企業の倒産ばかりではありません。 「国外への脱出」も急速に始まりました。 これまで、日本で企業を営もうとすれば、護送船団方式の方針に反することは絶対できませんでした。 …

護送船団方式概説4

他の国なら、とっくにたくさんの大企業が倒産しておかしくないのに、バブル以降もほとんど倒産してこなかったのは、護送船団方式によってもたれあい、頼りあうことができたからです。 「いつか景気がよくなれば、1100兆円の穴埋めもできる・・・」と、甘…

護送船団方式概説3

護送船団方式では、大蔵省の指導方針に従います。 それによって、統一された行動をとり、発展を遂げようとしてきました。 この指導に素直に従う限り、いわゆる大企業は決してつぶされる心配がありませんでした。 ましてや、大蔵省OBを直接引き受ける銀行は、…

護送船団方式概説2

護送船団方式で、重要な仕組みの一つが「メインバンク制」です。 日本では、どの企業も、お金を借りるメインの銀行を、一つにしてきました。 三菱グループであれば、三菱系の銀行からお金を借りるわけです。 グループ内に所属すれば、お金を融通してもらいや…

護送船団方式概説1

50余年前、敗戦の時に、占領軍のGHQによって、三菱や住友などの大財閥は、これでもか、というほどにたくさんの小さな会社に解体されました。 財閥が残っている限り、日本の改革は成功しない、と考えられたからです。 これによって、大財閥が、ほんのわずか…

朝顔のツル

生まれてから半年間の間、自分の存在を丸ごと受けとめてくれる両親の温もりを知ること、これは長崎の少年も与えられていたかもしれません。 しかし、3歳になるまでに身につけるべき、やるべきこと、やってはならないことの理解は、どうだったのでしょうか・…

三つ子の魂

少年院の院長?をなさっていた相部和男さんの著作に、「非行の火種は3歳に始まる」という本があります。 三つ子の魂百まで、といいますが、3歳になるまでの経験・体験が、その子の一生を通じる世界の捉え方・生き方の基礎になるということを、実例を挙げて…

格物致知

近頃の少年の事件を取り上げて、「他者の痛みを思いやる想像力の欠如」という言葉がよく聞かれます。 しかし、想像力だけで補えるものでしょうか? 先に紹介した「心機妙変を論ず」の文覚は、他者の痛みを思いやる想像力を十分持ち合わせた、怜悧な男であっ…

暴僧・文覚

「北村透谷撰集」(岩波文庫、絶版)中の「心機妙変を論ず」という文章に、文覚という暴虐無人の暴僧が描かれています。 その僧侶は強盗・殺人・強姦など、悪逆の限りを尽くして平気でいる、恐るべき人物でした。 人が嘆き、苦しんでいても心に何のとがめも…

意欲、愛情、厳格さ

今回の中教審の答申は、「あるべき姿」に追い立てようとしている感じがしてなりません。 追い立てる、追いつめるという行為は、大人も子供も関係なく、意欲を奪うものではないでしょうか。 確か「列子」にあった話だったと思います。 馬車好きの王様が、名人…

愛?

今しばらく、中教審の答申を考えたく思います。 再び、「国を愛する心」への疑問。 「愛」という概念が難しくて分からない、というのが正直なところです。 日本が好きか、といわれれば私は好きだと答えます。 しかし日本を愛しているか、といわれると、どう…

青べか

再び「あるべき姿」批判。 「荘子」に次のような話が載っています。 二人の旅人が今にも行き倒れになりそうなほど疲労困憊していると、渾沌が非常に親切にもてなしてくれた。 彫刻家でもある二人は感謝のしるしとして、 「渾沌には目、鼻、口、耳の7穴がな…

パブリックと結

渋沢栄一の曾孫にあたるという、寿一さんが面白いことをおっしゃっていました。 「パブリックという英語を公共と訳すのはおかしい、日本でもっともそれに近いのは結(ゆい)のようなものだろう」 公共というのは、文字からして「おおやけ」、つまり「お上」…

過去への郷愁?

中教審の答申にある「国を愛する心」には、戦前への郷愁が見え隠れします。 しかし、どうも勘違いがあるように思われてなりません。 私自身、敗戦によってあまりにも過去を否定しすぎたことを大問題だと考えています。 戦前の日本人の方が今の日本人より、比…

国を愛する心?

中教審の答申では、「国を愛する心」というのが取り上げられたそうです。 理由は、どうやら公共の精神が軽んぜられている現状を憂うあまり、ということのようです。 しかし、私は首を傾げざるを得ません。 もし本当に公共の精神の源泉として愛国精神を考えて…

思い通りにならない「壁」

今の子供に欠けているものを二つあげるならば、「意欲」と「規範」でしょう。 中教審の答申でも、この二つを問題視しているのですが、読んでみると意欲をどうやったら生み出せるのか分からずに思考停止に陥った結果、全般に「規範」を重視する結果となってし…

子供という別の存在

ルソーの「エミール」はあまり評価できないのですが、西欧において、非常に重要なメッセージを送った功績は、否定しようのないものです。 それは、よく知られているように「子供の発見」です。 それまでの西欧では、子供は「小さな大人」と見なされがちだっ…

意欲について

中教審でも、子供に「意欲が欠けている」という認識はあるようです。 しかし、なぜ意欲が欠けたのか、どうすれば意欲を取り戻せるのかをどこまで議論しているのか、疑問です。 子供はもともと、意欲の固まり、学習意欲の固まりです。 考えてみてください、二…

護送船団方式概説

護送船団方式概説1護送船団方式についての疑問が出されているようなので、うまく説明できるか分かりませんが、試みてみます。 50余年前、敗戦の時に、占領軍のGHQによって、三菱や住友などの大財閥は、これでもか、というほどにたくさんの小さな会社に解…