護送船団方式概説2

護送船団方式で、重要な仕組みの一つが「メインバンク制」です。
日本では、どの企業も、お金を借りるメインの銀行を、一つにしてきました。
三菱グループであれば、三菱系の銀行からお金を借りるわけです。
グループ内に所属すれば、お金を融通してもらいやすくなります。
こうして、大企業から中小企業にいたるまで、グループ内のすべての企業の資金の流れを、銀行が握ることになります。

そして、その銀行の経営を、大蔵省OBが握ってきました。
その銀行に、どの企業も資金を握られています。
つまり、日本のほとんどの企業が、大蔵省の強力な指導のもとにあったということです。
この仕組みがしばしば、「大政翼賛会の正統にしてもっとも成功した後継者」と言われたり、「世界でもっとも成功した社会主義」と言われたりするようになったものです。
この仕組みを、アジア各国が見習い、韓国、台湾、マレーシア、タイ、インドネシアなどが発展を遂げました。
日本を先頭とするアジアの発展を、雁の群にたとえて、「雁行的発展」とも言われます。
その仕組みを、もっとも大胆に採用しだしているのが、他ならぬ中国です。
中国は、「社会主義にはこういうやり方もあったのか」と、日本を見て学んだ面が強いようです。