意欲について

中教審でも、子供に「意欲が欠けている」という認識はあるようです。
しかし、なぜ意欲が欠けたのか、どうすれば意欲を取り戻せるのかをどこまで議論しているのか、疑問です。


子供はもともと、意欲の固まり、学習意欲の固まりです。
考えてみてください、二足歩行が、どれだけ怖いことか。
わざわざ、アタマをこんな標高の高いところにもっていく危険を冒す必要が、どうしてあるのでしょう?
大人になってはじめて二足歩行をしろといわれたら、怖くてできない人が少なくないでしょう。
事実、寝たきりが長いお年寄りは、久しぶりに立ってみてあまりの高さに怖くなった、という話を聞いたことがあります。
そんな怖いことを、子供は実に短期間で習得してしまう。
転んでも転んでも、痛くて何度も泣いても、また歩き出す。
何故でしょうか?


二つ、あると思います。
一つは、既に述べたように、子供がもともと学習意欲の固まりであること。
もう一つは、周囲の大人、特に母親の喜ぶ声がうれしくてならないのでしょう。


ほとんどの場合、母親は、子供が小学校に入るまで、最良の教育者です。
子供がどうしたら、歩く勇気を、意欲を持ってくれるのか、直感的に熟知しています。
子供は喜んで、進んで困難に臨みます。
母親は、どうすれば子供が意欲を持ってくれるのかを、よく知っています。


なのに、多くの母親が、小学校に子供が行くようになった途端、教育が下手になります。
「あるべき姿」にとらわれるからです。
もし小学校にはいるまでの学習意欲を子供が持ち続ければ、天才になること間違いなしです。


意欲を取り戻したければ、「あるべき姿」というのをもう少し見つめ直さなければなりません。